各診療科における男女共同参画への取り組み紹介

近年、新卒医師における女性医師の割合は増加の一途をたどっております。医師としてのキャリア形成と同時に、女性として人生における大切なイベントである出産・育児を両立できるのか、不安を抱いている方も多いのではないでしょうか。

当教室では以前より女性医師が多く在籍しています。今年度は1名の女性スタッフ、大学内では3名の医員、関連病院で25名の女性が在籍しており、それぞれのキャリアやライフステージに合わせて臨床、研究の現場で活躍をしております。妊娠・出産・育児期間中はそれぞれの体調や、家庭の事情、そして本人の希望を個別に相談しながら、いつまで・いつから・どのような形態で就労するか決定しております。例えば、育児中の大学勤務についても、北大病院の保育園「ポプラ」などを利用しながら週3日から4日の勤務形態や定時までの就労形態などを実際に行っており、教室全体でサポートをしております。

今後も、男女の垣根なく麻酔科医としても、母または父としても活躍できる人材を育成していく場としていきたいと考えております。 詳しくは教室のHPからお問い合わせください。

http://www.hokudaimasui.jp/education2.html

 

麻酔・周術期関連の2016年以降のガイドライン制定、改訂項目とその概要について

お知らせいたします。

悪性高熱症管理ガイドライン <2016年8月19日制定>

悪性高熱症の確定診断を待たず、疑わしい場合にはダントロレン投与を開始することを推奨している。

麻酔器の始業点検 <2016年3月改訂>

セルフチェック機能付きの麻酔器ではその指示に従う旨が明記され、余剰麻酔ガス排除装置について、低圧回路系のリークテストについての解説が増えたことが主な改訂。

安全な中心静脈カテーテル挿入・管理のためのプラクティカルガイド2017<2017年6月制定>

超音波ガイド下穿刺は積極的に適用すべきとされる。また、穿刺訓練のためにシミュレーション用マネキン等の導入を推奨。

局所麻酔薬中毒への対応プラクティカルガイド<2017年6月制定>

抗血栓療法の増加、超音波ガイド下末梢神経ブロックにより末梢神経ブロックが選択されることが増加していることを背景に、局所麻酔薬中毒の対応を定めておく必要性が高まったことを受けて制定。米国、英国での既に存在するガイドラインを踏襲した内容。脂肪乳化剤の治療法はエビデンスレベルは高くないが簡便な方法で試みる価値はあるとのこと。

産科危機的出血への対応指針 2017 〈2017年1月改訂〉

出血量について対応の遅れを防ぐためにSIを中心としたり、異常出血の際の対応として凝固の正常化に努めるための検査、治療が明記された。また、緊急時の適合血の選択の表が加えられたり、輸血製剤の選択肢としてクリオプレシピテート、フィブリノゲン等が言及された。

抗血栓療法ガイドライン<2016年9月制定>

抗血栓療法を受けている患者への区域麻酔、神経ブロック施行の指針として日本麻酔科学会,日本ペインクリニック学会,日本区域麻酔学会の3学会が合同で作成したもの。

 

麻酔科 科長

森本 裕二