各診療科における男女共同参画への取り組み紹介

脳神経内科と同門には現在、20名以上の女性医師が所属し、5名が北大病院で診療・教育・研究に活躍しています。近年は女性医師の入局も徐々に増えています。
神経疾患診療には丁寧な医療面接と診察が重要です。また、脳神経内科にはチーム制を導入して急性期診療にあたる医療機関もあれば、慢性期やリハビリテーションを中心とした診療、在宅診療などもあり、多様な選択肢があります。脳神経内科は育児や介護等と両立しやすい診療科であり、女性医師が生涯にわたって活躍できる分野のひとつと言えます。また、ほぼすべての脳神経内科医が所属する日本神経学会にはキャリア形成促進委員会があり、ライフイベントとキャリアの両立の支援に取り組んでいます。
当教室でも、女性医師が少しでも快適に診療と研究に専念できるよう環境整備に努めています。神経内科専門医を志す女性医師は研修中に、結婚、出産、育児などのために休職の必要な時期が想定されます。当教室には札幌市内を中心として道内各地に複数の関連施設があり、その多くは学会から教育関連施設として認定されています。これらの関連施設が協力して、脳神経内科を志す女性医師が専門医を目指して研修できるように、家庭と仕事が両立できるように、たとえ一時期休職してもまた復職できるよう、そして生涯にわたって専門医として活躍できるように、個人の事情に応じてサポートしています。専門医資格の取得は、専門医としての生涯にわたるキャリアの始めです。臨床医として、さらなる高みを目指して研鑽を積むのも良し、研究に携るのも良し、それぞれの関心に応じて夢の実現に配慮しています。
脳神経内科では技量に優れた専任の非常勤女性職員が研究活動を支援しています。教室の目標は優れたgeneral neurologistを養成し、世界に通用する質の高い臨床研究を推進することに有ります。そのためにアカデミックインタレストを大切にしています。神経内科専門医を目指す女性医学生や研修中の女性医師の皆さん、安心してご相談ください。是非、当教室のホームページをご覧下さい(http://neurology.med.hokudai.ac.jp/~neuro-w/)。

                                                                                                        脳神経内科 科長
矢部 一郎

 

 

最近5年間のうちに、筋強直性筋ジストロフィー(2020)、プリオン病感染予防(2020)、HTLV-1関連脊髄症(HAM)(2019)、ジストニア(2018)、脊髄小脳変性症・多系統萎縮症(2018)、単純ヘルペス脳炎(2017)で新たに診療ガイドラインが発行されたほか、パーキンソン病(2018)、てんかん(2018)、認知症疾患(2017)、多発性硬化症・視神経脊髄炎(2017)でガイドラインが改訂されるなど、幅広い疾患において診療の質の向上が図られています。また、多発性硬化症、脊髄性筋萎縮症、遺伝性トランスサイレチン型アミロイドーシス、一部の筋ジストロフィーなどにおいて疾患修飾療法の開発が進んでおり、「治る脳神経内科」として診療を取り巻く環境の大きな発展がみられています。