休職中にも学ぼう!

 私は現在、5歳と2歳の子供たちの子育てをしながら、北大病院の育児支援枠で勤務させていただいています。いずれも大学病院で復帰しました。

 第1子を卒後5年目の春に出産し、慣れない子育てでなかなか復帰を考える余裕がなく、保育園探しも遅れ、結局1年半程、お休みさせていただきました。子育てと仕事を両立できる自信がなく、復帰後半年程、週3日で勤務させて頂き、徐々にペースを掴み、現在は平日5日(8:30~17:00)、病棟業務を中心に勤務し、外来も半日担当しています。子供たちがまだ幼いので、当番・当直は免除していただいています。

 保育園は大学構内の保育園にお世話になっており、職場から近く、また子供たちも楽しそうに過ごしているので安心して勤務できています。ただ、やはり、毎月のように代わる代わる風邪をひくので、月に数回、お休みや早退をさせて頂いている状況です。北大にはまだ病児保育の制度が無く、札幌市内の病児保育も定員が少ないため空きがなく、両親は遠方のため協力も得られない状況なので、市中病院で医師をしている主人と交代で通院・看病しています。主人と外来日・外勤日が重ならないように、復帰前にグループの先生方に相談し調整してもらいました。私が所属している内科1・循環代謝グループは、同じように子育てしながら勤務している先輩・後輩女性医師がおり、連絡をとりながらお互い仕事をカバーしたり、男性医師もやさしく、理解のある先生方ばかりで、サポートしていただけているので本当に働きやすい環境に恵まれていると思います。

 育休中は全力で育児し、1年以上も仕事から離れてしまっていたので、復帰に際しては、仕事の感覚を取り戻せるのだろうかと不安でいっぱいでしたが、グループの先生方にサポートしてもらいながら、入院患者さんを担当させて頂いたり、少しずつ外来も担当し、適度な負荷でリハビリできたと思います。

これから、復帰を考えている先生方へ067

私もそうでしたが、子育てと仕事が両立できるかどうか、不安はあると思います。特に、初めての復帰だと、復帰後の生活のイメージがつかないのでとても不安だと思いますし、実際、日々時間に追われて大変です。北大病院は比較的、女性医師支援体制が整っており、勤務形態の自由度も高いので、短時間の勤務から徐々に仕事量を増やしていくことが可能です。また、同じような境遇で復帰している女性医師が多く、相談できたりアドバイスしてもらえるので心強いです。大学病院・市中病院いずれで復帰する先生も、復帰前にしっかり上司と相談し準備しておくと、きっと良いスタートをきれると思います。

 Q&A
Q…1年半のブランクは決して長くはありませんが、育児をしながらのペースのつかみ方は個々人で異なり、最も大事な点と思います。ペースのつかみ方の律速段階は母親、こどもの成長、配偶者の協力、同僚の協力があるかと思いますが、先生の場合はどこが一番の決め手でしたか?

私の場合はこどもの成長と母親自身の両方でした。配偶者や同僚の先生方は復帰時からとても理解があり協力してもらえる環境にありました。

子供の成長に関しては、月齢が小さいと朝晩の準備(とくに食事)・寝かしつけなどに時間がかかります。また、保育園に預け始めは、頻繁に風邪をひくため、早退やお休みを頂くことが多い状況でした。

私自身に関しては、第1子出産後復帰時は特にそうでしたが、8時半~17時の限られた時間内で仕事を終わらせなければならなく、いかに効率よく仕事をこなすか、日々考えながら仕事をしていますが、思っていたより時間が無く、1日でできる仕事量を把握するまで数か月かかりました。また、出産前まで関連病院勤務であったため、大学のシステムに慣れたり、糖尿病診療は初めてであったこともあり、仕事内容の変化にも慣れる必要があったので、時間がかかったかもしれません。

Q…先生は内科1で代謝疾患の診療をされていますが、出産前から進路は決めていましたか?もし復帰後の決定でしたら進路選択の理由を教えて下さい。

循環代謝グループはカンファランスが日中の勤務時間内に行われるので、診療方針決定後の指示だしも時間内に済ませることができます。また、薬の説明会やグループの勉強会も日中に開催されており、新しい薬を勉強する機会にも恵まれています。特に勉強会では、グループの先生方の進めている研究の内容を聞き、疾患に対する理解が深まるとともに、研究に対して興味をもつ機会にもなっています。

第1子出産後復帰時は進路がまだ決まっていませんでしたが、こういった時間に対する配慮も育児と両立していくうえでとてもありがたく、第2子出産後も循環代謝グループで復帰させていただきました。

Q…復帰時の相談で先生にとって大事なポイントはどんな点でしたか?

復職前からの一番の心配が、子供の急病と外来業務・外勤が重なった時の調整だったので、主人と交代で対応できるよう、外来診療日が重ならないように相談し調整していただきました。